第1回:今年で30周年!ラモーンズファンクラブ の日常
こんにちは。Don’t Look~?編集長のタムラです。
本誌の編集後記以外で文章を書ける場所がなかったので「編集長日記」というコーナーを作ってみました。ざっくばらんにさまざまなトピックについて書いていければと思っています。よろしくお願いします。
さて!突然ですが、ラモーンズというバンドを知っていますか?革ジャンで「1.2.3.4!」って感じのあのパンクバンドです。
では、ここ日本にはラモーンズのファンクラブがあるのをご存知でしょうか?
記念すべき第1回となる今回は、私も所属しているラモーンズファンクラブと、先月行われた『RAMONES FAN CLUB JAPAN 30TH ANNIVERSARY PARTY』についてのレポートをお届けしたいと思います。
「RAMONES FAN CLUB JAPAN」ってなに?
まず最初に「RAMONES FAN CLUB JAPAN」について簡単にご説明したいと思います。
読んで字の如くって感じですが、あの伝説のパンクバンド〝RAMONES〟のファンクラブです。
現在、バンドは解散してしまっていますし、亡くなってしまったメンバーも多々います。個人での来日はありますが、もうラモーンズとしてのライブを見ることはできません。
それでもここ日本には、今なお盛んに活動しているファンクラブがあるんです!
それが、ロック写真家でもある畔柳ユキさんを会長とする「RAMONES FAN CLUB JAPAN」です。
ラモーンズは知っていても、日本にファンクラブが存在し、今でもアクティブに活動していることは知らなかった!って方も結構いるのではないでしょうか。
私も4~5年前までそうでした!ユキ会長の著書『I Love RAMONES』と『Thank You RAMONES』をきっかけにファンクラブの存在を知り、即行で入会しました。
毎年の年会費はなく、初回のみ会費を払うだけの永久会員制。入会すると、会員証と当時刊行されていたファンジン「LOCO PRESS」のダイジェスト版、そして入会タイミングによって異なるファンクラブのグッズが貰えます!(私はオリジナル缶バッジとラバーバンドでした!)ウェブコンテンツが中心のファンクラブが多い中、こうした手に取ることのできるものをくれるのは嬉しいですよね。
気になる方は以下をチェックしてみてください!
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ラモーンズファンクラブはこんなところ!
バンドがいないのにも関わらず、存続しているラモーンズファンクラブ。「ライブもないのに、なにをするの?」と思いますよね?
基本的な活動内容は、ラモーンズ好きがラモーンズのTシャツや革ジャンを着て集まったり、ラモーンズに関することで盛り上がったりすることです。「え?!それだけ?」と思うかもしれませんが、これがとっても楽しいのです。
私はこれまでにこんな企画に参加しました。
・テラス席でお茶をしつつ行われた「ラモーンズファーストについて語ろう会」
・ラモーンズが来日時に訪れた所縁の地を巡る「聖地巡礼ツアー東京編」
・浅草のシアターを貸し切っての「秘蔵映像上映会」
・秘蔵映像上映会後に行われた参加率98%の「ファンクラブ新年会」
過去にはラモーンズの本場アメリカでの聖地巡礼ツアーなども開催されていました。(次回開催には絶対参加したい・・・!!!)
これは、後追いファンあるあるなのではないかと思うのですが、解散してしまったバンドを好きになってしまったとき、その熱を向けられる場所ってなかなかないんですよね。でも、ラモーンズの場合はその熱を思いっきり受け止めてくれて、なおかつ一緒に盛り上がってくれる場所があるんです。なので、私がファンクラブに入って良かったと感じていることの1番は、ユキ会長やラモーンズを語り合える会員の方たちと出会えたことです。
まず、このファンクラブ会長であるユキ会長はメンバーと直接交友のある方です!(詳しくは是非会長の著書を読んでみてください!)ファンクラブもジョニー本人からのお達し!?がきっかけでスタートしているくらいなので、当時を知らないファンにとっては驚きの連続なお話を聞くことができます!
なにがすごいって、ユキ会長の話は全部「ジョニーは〇〇だったと言われていた」ではなく、「ジョニーはよく〇〇って言ってたよ」なんですよね。憶測でも言い伝えでもない、ラモーンズのリアルを知ることができます!
バンドの活動歴やリリースデータなどはネットで探せばいくらでも知ることができますが、生の声に触れられる機会は貴重ですよね。メンバーのパーソナルな部分を知ると、楽曲やバンドの歴史を違った角度から見ることができます。
ファンクラブに入会する前は遠いレジェンドなバンドという印象でしたが、「ジョニーは来日時にえび天そばを食べていたよ」とか「新宿のゲーセンでシューティングゲームしてたよ」なんて話を聞いているうちにラモーンズを身近に感じられるようになり、もっと大好きになりました!
また、何度もライブを見てきた先輩会員の方たちの実体験や、さりげなく身につけているレアアイテムのこだわりなどを聞けるのもファンクラブの面白いところです。海外公演を見に行ったお話や革ジャンへのこだわりなど、すごいエピソードをたくさん聞かせてもらいました。
また、ラモーンズに関するわからないことや知らないことがあれば、Google先生よりも迅速かつ丁寧に優しく解説してくれます。逆にリアルタイムを知らない私の視点からのラモーンズに関するお話も興味深く聞いてくれます。
年齢層が広いので同世代のラモーンズファン仲間もできました。でも、基本的には年齢性別関係なく、会全体で仲が良い印象です。
とにかくラモーンズに関することなら、なんでも楽しんでしまえる人たちの集まりなのです!
『RAMONES FAN CLUB JAPAN 30TH ANNIVERSARY PARTY』in クラブチッタ アティック
そんなラモーンズファンクラブは、今年で30周年を迎えました!バンドの活動期間が1974年から1996年までの22年間ですから、それよりもファンクラブの方が長く続いていることになります。すごいことですよね!
その集大成となるパーティが2022年10月2日、川崎クラブチッタ アティックにて行われました。コロナ禍ということもあり人数制限下でのパーティでしたが、大盛況の大盛り上がりでした!
まずエントランスでは、ラモーンズとラモーンズFCの歴史を振り返る展示コーナーがお出迎え!
私はスタッフとして展示物の掲示のお手伝いをしました。
事前にユキ会長から頂いていたイメージのラフを元に、会員の皆さんと一緒に「もう少し上かな?」「右よりも左の方がいいかな?」なんて文化祭の準備のような会話をしながら貼っていきました。
驚くほどスムーズに準備が終わり、ユキ会長が驚いていました。これも当時「軍隊のようだ」と形容されていたラモーンズファンの集まりだからでしょうか?(笑)
ここに展示された秘蔵写真の一部は、現在発売中のDon’t Look~?No.3「ラモーンズ特集号」にも掲載させていただいています。
続々と集まる革ジャン軍団。熱狂のライブスタート!
階段を上りフロアに着くと、窓からはユキ会長撮影の巨大なラモーンズパネルが見渡せるという絶景!
物販コーナーでは、Don’t Look~?No.3「ラモーンズ特集号」の先行販売ブースを設置させていただきました。手に取っていただいた皆様、ありがとうございました!
そして続々と集まる革ジャン軍団。
リアルタイムでライブを体験してきた会員のシンイチさんに「ラモーンズのライブの日もこんな感じでみんな革ジャンだったんですか?」と尋ねると「こんな感じだったよ!これが正装だからね(笑)」とおっしゃっていました。
ファンクラブ会員でもあり、DJとしても活動しているDJ YUGOさん選曲のナンバーで会場があたたまって来たところで、広島のSO-CHO PISTONSのライブがスタート!高速エイトビートと爆音パンクサウンドに会場は大盛り上がりでした!
ドラマーのNASS RAMONEさんはこの日のためにファンクラブのロゴ入りのアニバーサリーなバスドラムヘッドを作成。ライブ後にはユキ会長へ、広島のお土産としてプレゼントされました。
(完全にサプライズだったらしく「広島からお土産を持っていくって言うから、もみじ饅頭かなんかかと思ってたよ!」と、ユキ会長もびっくりの様子でした!笑)
盛り上がりを見せる会場に追い打ちをかけるように、カジワラモーンズのライブがスタート!
カジワラモーンズはドラマーに元ザ・ブルーハーツの梶原 徹也さん、ベースとギターにSO-CHO PISTONSからBAVOさんとKEIICHIさん、そしてボーカルに市川RAMONESからMaster Ramoneさんという、この日限りのスペシャルメンバーによるラモーンズのトリビュートバンドです。
矢継ぎ早に演奏されていくラモーンズナンバーの数々に圧倒されつつも、気付いたら全力で拳を振り上げていました。
バンドもガチ。観客もガチ。でもハッピーで楽しい!
会場のアティックと同じ敷地内にある川崎クラブチッタは、来日時にはラモーンズが何度もライブを行ってきた場所です。無我夢中で「Hey Ho, Let’s Go!」コールをしているとき、本当に当時にタイムスリップしてラモーンズのライブを見ているような気持ちになりました。
・・・と、そんな感傷に浸っている間もなく、魔法の呪文「Gabba Gabba, we accept, we accept you, one of us!」とともに「Pinhead」のカウンターパンチ!
この日のために会員のホリウチさんが作ってきてくれた「Gabba Gabbaミニ看板」をみんなで掲げ、会場のボルテージは最高潮に!
特製ケーキで盛大にお祝い!
そして、ライブ終了後には会員のもにゃこさんの特製ラモーンズケーキが登場!
パーティといったら、やっぱりケーキは欠かせないですよね。
切り分けられたケーキのミニミニGabba Gabba看板の飾りもとてもかわいい!
マニアックな小話で盛り上がるアフターパーティ
パーティ本編終了後はアフターパーティが開催され、談笑タイムでまったり。そこで盛り上がったのが、会員のカワサキさんが革ジャンに付けていたこのバッジ!当時ジョーイも付けていたものです。
これは「The Uncle Floyd Show」というアメリカの番組のノベルティ(例えるならMステのティッシュ的な?)で、レプリカではなく当時のものをわざわざネットで探しゲットしたそう!
傍からみたらあまりにもマニアックで細か過ぎる話題ですが、こういうバッジ1つで「いいですね!」「よく見つけましたね!」とお酒が進んでしまうのが、これぞラモーンズファンクラブという感じだと思いました。(かく言う私ももちろん一緒に盛り上がっていました笑)
〝RAMONES〟最高!
パーティの帰り、考えていたことがありました。
マニアックな話で盛り上がったり、レアアイテムを見せ合ったりしているのに、ラモーンズファンクラブでは、ロックオタク同士でありがちな見栄の張り合いやマウント合戦・・・といった類のことが全然ないこと。これは「他のバンドのファンよりすごいんだぜ!」ということが言いたいのではなく、むしろちょっと奇妙で不思議だなと思っていました。
そもそも音楽に限らず、オタクが集まってそうならないことってなかなか無くないですか?!しかも年齢も性別もバラバラで。
これについてはファンクラブに数年在籍してわかったことがあります。
ラモーンズファンにとって、〝RAMONES〟以上のものはない!
もう「好き」とか「愛」とかを通り越して〝RAMONES〟に対する「忠誠心」が強すぎるんです。いくらグッズを持ってようがライブに行っていようが知識を持ち合わせていようが、〝RAMONES〟以上のものがないのであればマウントの取りようがないですよね。
それよりも、自分自身がラモーンズのファンであること。つまりラモーンであることこそが誇るべきことで、ラモーンの名の下に集まっているのであれば互いをリスペクトし、尊重し合うのはとても自然なことなのです。
偉そうに第三者目線で考察していますが、マジで私もそう思っています。なので今回、1人のファンとしてラモーンズ一本を特集にしてDon’t Look~?を作れたことはすごく光栄でした。
ごたごたと書いてしまいましたが、これはもうラモーンズがとうの昔に一言で表してくれていましたね。
We Are Happy Family!
ファンクラブに入って本当によかったなと思えたパーティでした。
日本にこんな面白いファンクラブがあることを、ラモーンズファンだけに限らず多くのロックファンに知ってもらえたら嬉しいです。