EPISORDⅣ:耐死仕様

EPISORDⅣ:耐死仕様

どうも皆さん、メッポです。今回紹介するのは…正直悩みました。音楽×映画って、なかなか難しくて。せっかくなのでタムラモーン氏に因んで『ロックンロール・ハイスクール』(米・79年)を紹介したいところだけど、すみません未見です。あいすません……。

というわけなので、ロックンロールが聴けるという以外はおそらく関連のない『デスプルーフ』(米・07年)のことを書くよ。我らがクエンティン・タランティーノ(以下タラちゃん)の映画愛が爆発してる一本。

テキサスでラジオのDJをしているジャングル・ジュリアが、車やバーでいわゆる“ガールズトーク”に花を咲かせていると、どうも怪しい男に付け回されている…?男はスタントマン・マイクと名乗るが、若い女性陣には彼がかつてスタントをした作品など知る由もなく……。
その夜、車でラジオをガンガンに鳴らし、ゴキゲンのジャングル・ジュリアたちは“耐死仕様”に改造されたスタントマン・マイクのマッスルカーに正面衝突され、おぞましい死を遂げるのであった…。
それから年月が経ち、大事故を生き延びたスタントマンマイクはテネシーにいた。次の標的を狙うために…!

っていう映画なんだけど、タラちゃんの映画といえば『レザボア・ドッグス』などでお馴染みの無意味な会話シーン(ただしアジはある)。今作はそれを最大限にまで引き延ばし全体の3分の2は長話しで構成されている。他作との違いといえばそのシーンでジュークボックスから流れるオールディーズを楽しめるところか。

「Baby it’s you」はビートルズ好きには馴染みの曲だけど、こちらはTheの付かないSmithのソウルフルなバージョン。

ちなみに『イージー☆ライダー』(69・米)でも彼等の楽曲が使われてる。

「Hold Tight」は日本でデイヴ・ディー・グループとして知られるDave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tichの曲で、本編ではピート・タウンゼントが加入する話があったとのセリフが。嘘だろ!?

「Chick Habit」はApril Marchによるフランス・ギャル(作曲はゲンズブールさん)の英詞カバーなのだけど、原語カバーもあって、本編ではエンドロールで英詞版のフェードアウト直前に原語版のAメロに繋げるマニアックで有難い編集が施されてる。とにかくイカしたナンバーで、これだけのためにサントラを買った中3のオレがいました…。

で、タラちゃんは終盤にダッジ・チャージャーvsダッジ・チャレンジャーという泣く子も黙るマッスルカーバトルを繰り広げるのである。撮影ではCGを使わず、スタントマンたちに運転させた!偉いね。

そんな今作でしたが、13年経った今としてはなかなか微妙なポジションの映画になってしまった。70年代のB級、或いはそれ以下の映画を見て育ったタラちゃんのLOVE大暴れな1本なのも、良くも悪くも要因の一つ。あとはプロデューサーの問題とか…そこはまあ調べといて。
とかなんとか、今回はこの辺で!

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