EPISODEⅥ:宇宙の救世主、“ひらめき”
ハロー皆さん。メッポです。映画×音楽をテーマに毎度書かせていただいてますが、なんかずっとロックンロールの事ばかりだった気がする。まあ今回もそうなんだけど。『フラッシュ・ゴードン』(80年・米)についてです。
元々は新聞に載っていた漫画だったようで、後の連続活劇版(日本の連続テレビドラマのイメージ)のファンだったジョージ・ルーカスが映画化を狙っていたのは有名な話(のはずなんだけど、もう古い話なので知る人ぞ知る…)。ところが作品の権利は『バーバレラ』(68年)も手掛けたディノ・デ・ラウレンティスが所持していた為に、ルーカスは独自のウィルズ銀河史を築くことに。その惑星大戦争モノのヒットにより、『フラッシュ・ゴードン』はつくられたというわけ。
惑星モンゴを支配する皇帝ミンは、暇つぶしに偶然見つけた地球で遊び、天変地異をもたらす。地球の危機を救う為、科学者のザーコフ博士とニューヨーク・ジェッツのクォーターバックのフラッシュ、麗しのデイルの3人が挑む。途中で出会った英国人風の公爵と鷲人間を味方につけ、極悪非道な皇帝ミンに立ち向かう!
ここまでロックの話題が一切無かったけど、今作は音楽をクイーンがやってるんです。凄いでしょ?イカした重厚なSFサウンド…なんだけど、若いクイーンのファンは知らない人多そう。
バスドラムとピアノが絡むイントロの後“フラッシュ!(雷の音)アア〜♪”というフレーズが飛び出す「フラッシュのテーマ」はシングル版がベスト盤にも収録されてる。ロジャーのコーラスがいいんです。夏なんです。
フレディ作曲の「フットボール・ファイト」はフットボール選手であるフラッシュの役柄を活かしたシーンで使われた、ゴキゲンなキーボードのサウンドが印象的な1曲。ディーキーのベースラインもお忘れなく。
終盤で流れる「ザ・ヒーロー」はブライアンのギターが大活躍の大団円にぴったりなロックチューン。
……なのだけど、映画の評価はだいぶ低いし、正直面白いかというとそんなことはないです。何故か?恐らくラウレンティスの「『スタ○・ウォ○ズ』を越えるぞ!」という意気込みが裏目に出たから。相当な製作費がかけられているのがよく伝わってくるんだけど、衣装やセットがやたら金ピカなのが原因の一つかも。特撮は劇場版 宇宙大作戦に負けてるし(ただ金はかけてるのでどちらもこの時代にしては奮闘してる)。
さらに、はっきり言ってサウンドトラックの出来も酷い。クエンティン・タランティーノの映画を例にすると、彼の作品のサントラは曲の合間に本編の台詞が挟まれた構成。で、今作のは曲の演奏中に沢山の台詞が聞こえるので曲に集中できない。サンプリングとは違うんだからさァ。
以前この記事で紹介した『ボヘミアン・ラプソディ』(18年)では、理由はわからないけど一切触れられてなかったしね。さっきも触れたけど、オレと同世代の新たなるファンに今作があまり知られてないのは多分このせい。でも、愛くるしい1本ではある!(どんでん返し)
最後に『テッド』(12年・米)を軽く紹介。
自分の意思で喋るぬいぐるみと持ち主をダメダメに描いたコメディ(つくったのはTVシリーズ『ファミリー・ガイ』の人)で、劇中で連中が大好きなのが『フラッシュ・ゴードン』という、完全にギャグ枠で登場。今回紹介した3曲も思いっきり流れる(「〜のテーマ」はアルバム版)。なんてことだ…。
そんな感じで今回は終了。みんな興味持ってくれたかな?オレは好きです。フラッシュ・ジャンプをいつかやってみたいです。では!